戦争映画

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戦争を題材にした作品観て、いつも思うこと。それは、こんな恐ろしい世界が、フィクションとして造られたものではなく、実際に現実世界で起こったこと、また現在も起こっているものだということ。


戦争を知らない私も、こういった作品を通じてその一片を垣間見ます。


今でも地球から消えない争い事に、名匠たちが反戦の思いを込めて作り上げた作品を、ご紹介します。




【戦場のピアニスト】
(2002/フランス・ドイツ・ポーランド・イギリス/148分)



自身もゲットーに送り込まれた過去を持つ、ロマン・ポランスキー監督。


彼が様々な想いを乗り越え、長い年月を経てようやくメガホンをとった、ナチスの侵略を題材にした作品です。


実在のピアニストの実体験を元に作られたこの作品は、1939年のポーランドが舞台。


ナチスの迫害を受け、家族と引き裂かれながらも奇跡的に戦火を潜り抜け生き延びる主人公シュピルマンを、エイドリアン・ブロディが
十数キロの減量をする気迫で演じきっています。


監督は当初、シュピルマンの配役にはアメリカ人俳優は採用しないと
決めていましたが、ブロディを観た後には、主演を彼にするとすぐに
決定したそうです。


感情を露わに表現するのではなく、繊細に、静かに、ただただ生き延びる様を見事に演じきったブロディは、アカデミー主演男優賞を見事獲得しました。


(*ネタバレあり↓)
ナチスのワルシャワ侵攻を目の当たりにし、死の収容所送りを奇跡的に逃れたシュピルマンは、ゲットーの廃墟に身を隠すことで第二次世界大戦を生き延びます。


ナチスのホロコーストを映画化したその他の作品とは異なり、主人公の視点から忠実に描写され、ポランスキー監督によって壮大なスケールで戦争を描いた奥行きのある叙事詩に仕上がっています。


シュピルマンが希望を捨てずに粘り強く生き延びる様子と、彼が逃げ出すことを拒んだ街が徹底的に破壊される様子とを対比して浮かび上がらせる手法は見事です。


一切の妥協を排して肉体的、感情的な真実性を追求することにより、
この作品はは希望と精神の純潔性の究極的な調べを奏でています。


そして作品の終盤、シュピルマンは潜んでいた廃墟でナチス将校に見つかってしまいます。


ですが、その将校に依頼され、廃墟の中でショパンの音色を奏で聴かせるシーンは、まさに崇高さを漂わせる名シーンです。


そこには人種や争いごとなど関係なく、ただ美しい音楽に身をゆだねる二人の人間が映っています。


ポランスキー監督はこの作品を通じ、ナチスにも善人が、ユダヤにも憎むべき者がいたという原作者の公平な視点を、無視することなく強調しています。


この作品は第55回カンヌ映画祭にてパルムドール大賞を受賞しました。


上映後、監督と作品へのスタンディングオベーションは、15分間もの間鳴り止むことはなかったということです。




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