これを観たときは、本当に久しぶりに「いい作品みつけた!!」と
本当に嬉しかったのを覚えています。
「あなたはこの結末に納得できますか・・・」と書かれたパッケージ。
私は納得とかそういう以前に、観終わった後もしばらく呆然として
しまったほどです。
【ザ・ライフ・オブ・デビッド・ゲイル】 (2003/アメリカ/131分)
名匠アラン・パーカーが描く、社会派サスペンスがこちら。
この作品の題材は死刑執行の是非を問うという重いものです。
しかし、最初から最後まで緊張感を途切れさせないフィルムワークで、サスペンス色を存分に与えながら展開していく、あっという間の130分間に仕上がっています。
死刑反対運動に加わりながら、過去に教え子をレイプした容疑で逮捕されたという経歴を持つ元大学教授、という複雑なキャラクターを演じるのは、ケビン・スペイシー。
同僚の女性を殺した罪で死刑宣告を受けた彼は、死刑執行の3日前になって、自らの手記をある女性記者に依頼します。
謎めいた人物像で、ケイト・ウィンスレット演じる女性記者のみならず、観客までをじわじわと自分の世界に引き込み、次の瞬間にはパッと煙に巻くケビンの演技が際立って素晴らしい。
観客はずっと彼女の目線で少しずつ事件の核心に迫っていきます。
直視できないようなおぞましいビデオシーンも織り込みつつ、衝撃的なラストシーンへ。
観終わった後も、しばらく余韻の残る、「深い」サスペンスとなっています。
この作品の重要な主題にもなっている死刑執行制度について、
監督アラン・パーカーは反対の立場をとっています。
アメリカ内での死刑賛成派は、その理由として、死刑が凶悪犯罪の
抑止力となる点を指摘するのに対し、反対派は何よりも冤罪のおそれを理由に挙げています。
事実、過去25年間に102人の死刑囚の冤罪が晴らされ、釈放されているという事実があるのです。
パーカー監督は、自分のフィルム・メーキング・メモの最後に、
最高裁判事ブラックマンの言葉を引用しています。
「死刑には、自由裁量、差別、気まぐれ、間違いを伴う」と。
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